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家を建てる際に注意すべき古いしきたり!フィリピンの戸建て賃貸プロジェクト

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前回の続き。

(前回の投稿→http://www.borderlessliving101.com/?p=152

以前に投稿したフィリピンの実家の改修。作業者を直接雇って日本から図面を送って遠隔操作で作業をしてもらっていたんだけど、Skypeの画像で確認する限り、どうもドアの位置だとかキッチンのレイアウトだとかが図面どおり作られていないような・・・その確認も含めて、8月の終わり頃に現地入りした。現地に到着したのが夜の12時ごろ。家について真っ先に改修部分(家の半分の部分)に立ち入り、現場確認。

おーまいごぉぉっど。わっはっぺん。裏口の位置が違う。キッチンの位置も変えられてるし。

その日はフライトからの疲れ&夜中1時ということもあり、ひとまず寝た。作業者へのクレームは翌朝へ持ち越し。

次の朝。工事現場の騒音に起こされ、睡眠不足ながら作業者の中のリーダー格の人になぜ図面通りに施工しなかったのかを聞いてみた。

古い信仰の関係で、やむを得ずレイアウト変更になったとのこと。

「この裏口の配置はダメだよ。そういうしきたりなんだ。入居してくれなくなっちゃうよ。」

へ?しきたり?それを聞いた瞬間、寝不足もあってか15秒ほど思考が停止した・・・え、ちょっと待ってちょっと待ってお兄さん。しきたりってなんですのん。古いか。

よく話を聞くと、私が設計した裏口の配置だと運気が逃げていってしまう。そのため、若干裏口の位置をずらしたのだが、キッチンのレイアウトが影響を受けてしまったとのこと。ちなみにこの件は、うちの母親が了承していた。なんで言ってくれなかったの?

それで、今回影響のあったその古いしきたりというもののいくつかがこちら・・・

①ドアは外部とつながる出口や裏口などと対面してはいけない。

実は私もこの事は子供の頃に聞いた事があったが、正直、忘れていた。

この信仰は風水的な影響も受けているのだが、要は外部とつながる出口や裏口などが、部屋のドアとかと対面していると「運気」が家の中にとどまる事なく流れ出てしまうのだとか。

効率わるっ。

このため、裏口を設置するはずだった場所をずらさなくてはいけなくなり、ずらした先がキッチンスペースだったため、キッチンのレイアウトが勝手に変えられてしまっていた。言ってくれればこっちでも考えたのに・・・

img_4658

(写真:裏口をあける予定だったのがこの写真左側の部分。写真の右奥の方へ変えられていた。)

img_4663

(写真:変更後の裏口。ここにキッチンが設置される予定だったが、写真右の壁沿いへ移動。)

②階段の段数は3の倍数にしてはいけない。

2階へつながる階段。もともとは結構角度が急で、しかも段数が少なかったため段差が高かった。今回角度を少しだけ緩めて、段差も縮めるため段数を増やしてもらっていた。

私が作った図面は平面図のみだったので、こういう立体的な部分は大工さんのセンスに任せていた。これについては特に問題はなかったのだが、強いて言えば、ちょっと各ステップの奥行きが狭いかな・・・?といったところだった。改修前はたしか11段だったが、回収後は13段になっている様。2段も追加したの???

これも、聞けば「3の倍数にしてはいけない」という信仰が関係しているのだとか。そのため、12段だと自分のバカでかい足がちゃんと乗っかるぐらいのちょうどいいサイズになるはずだったのだが、3の倍数なので却下。2段追加して13段にしたとのこと。

フィリピン人は信仰というものを大事にします。

そうなんです。これは宗教上の理由とはまた別で、フィリピン国民の90%近くはカトリックなのですが、それと同時に現地に昔から伝わる伝統だとか信仰、また風水なども熱心に信仰しています。風水は華僑の影響ですかね。ちなみに、日本では正月とかになると財布のバーゲンセールをやりますよね、縁起がいいって。あれ、フィリピンでも同じなんです。

そのほか、家の建築に関する信仰では
・家を支える柱を建てる場合、その数は13本にしてはいけない
・家の建築は満月の日に始めること
・行き止まりとなっている道路の先端に家を建ててはいけない
などなど。

あと、家の建築とは関係ないけど、うちのおばあちゃんなんかは、地元(フィリピン中部のサマール島出身)の古い伝統で火曜日と金曜日はシャワーを浴びてはいけない事になっていてずっとそれを守っていました。しかし、高年齢で車椅子生活の状態なので衛生上どうしても洗わないといけない時は、火曜日とかでも「今日、水曜日だから」と、メイドさんが言い聞かせて綺麗にしてあげるのでした。(笑)

これって、フィリピンで賃貸やるなら結構大事です。若い人でも意外とこういうのをちゃんと見てます。なのでこういう問題があったりすると、入居がつきにくくなります。

ただ、こういうのを知らない人も現代社会にて増えているのも事実で、それを知らない人が建てた家へお客さんを呼んだ時とか、その時に初めて気付くっていうこともあります。(「どうせうちには金運なんて来ないさっ!」なんて割り切る人もいますが。笑)

フィリピンで戸建てを買うっていうことはあんまりないかもしれないけど、コンドミニアムを買う時とか、現地で会社立てたりする人とかはもしかしたらこういう場面に遭遇するかもしれません。気をつけましょう。

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