前回までの記事でやむを得ず設計変更してしまったこの賃貸戸建てプロジェクトだが、そんなに大きな変更はないのでとりあえず修正案を受け入れ、作業を続行してもらった。今の状況は下の写真の通り。だいぶできてきたが、特に水回りの作りが雑なところがあり、いくつか修正してもらいました。
賃貸の水回りはどこの国でも大事。
よく日本で賃貸をやっていると「水回りが大事」っていう事を聞くけど、それはどこの国でも同じです。私がまだマニラの大学に通っていた時、同級生が近くにドミトリー(学生用アパートみたいなもの)を探したいと言って、同じ大学の友人達と一緒に探してあげた事があったけど、外観とか部屋の設備に力を入れている割にはトイレ・シャワールームとかキッチンがショボかったり、汚かったりしたため入居を断念していた。結局当時その同級生は外観や部屋のサイズはまあまあなんだけど、キッチンやトイレが綺麗なところを見つけ、そこに入居しました。
なので、今回はキッチンとトイレなど水回りは徹底的にこだわりました。トイレ一つとっても洗面台・シャワーエリア・便器・ドアの位置、タイルの色づかい、便器のデザイン、排水溝のデザイン。それと、タイルの仕上げの仕方にも隅から隅までこだわり、いい加減な仕上げをすれば全て黒マジックペンで落書きして「ここ。やり直せ!」と指示をしました。ちょっとお金をかけすぎたかもしれないけれど、その分周辺の賃貸物件と差別化を図るつもりでこういったことに投資してみました。多分ここまでこだわったオーナーさんはここら辺ではいないだろう・・・さて、これが吉と出るか。ぶっちゃけこの時点でもすでに入居の問い合わせがいくつかきているそうで、ここまでこだわる必要はなかったかもしれないが。
例えば1階のトイレ。便器は安くてもデザインが安っぽくないやつを選びました。また、奥に見える石鹸置き?も、位置が高すぎるのと隅っこすぎるのと、これを設置する際にグラインダーが隣の壁に当たってしまったようで、大きな傷が付いていたので黒マジックペンで「位置変更。高すぎる。はじっこすぎる。」「傷がついている。やり直せ。」などと、このトイレだけで4つ、タガログ語で落書きしました。
1階部分のリビング・ダイニング・キッチンエリア
↓まずは1階のリビング・ダイニングエリア。
↑ビフォー。9月3日撮影。もともとキッチンがあった部分。すでに取り壊された後です。この時点で作業はすでに2週間進んでいます。
↑アフター。10月7日撮影。上の写真右側にあった余計な壁が取り払われていて、綺麗になっていました。(ブレーカーボックスが設置されてあったため、すぐには取り壊すことができなかった)
↓こちらはキッチンエリア。
↑ビフォー。9月3日撮影。新しく作ったキッチン。もともとは写真左側の壁沿いにあった。
↑アフター。10月7日撮影。ちょっとビフォーの写真と角度が違うけど。だいぶできてきました。あとは、新しく作ったキャビネットの塗装とタイル貼り、シンクとガスコンロ、換気扇を買ってきてつけるだけ。床の黒いタイル、先月に買ってきたものが足りなかったらしく、コンクリート床がむき出しになっています。追加で買ってこないと。
2階部分の部屋とトイレ
2階の部屋。主寝室。ここは特に変更なし。壁、床、天井の再塗装だけ。本当は窓ももうちょっとしっかりしたものに変更したかったけど・・・
2階のもう一つの部屋。ここもあまり変更なし。
2階のトイレ。タイルは1階のトイレと同じもので揃え、便器や石鹸置きなど極力使えるものは再利用しました。また、窓の位置も元々は左側の壁にあったんだけど、奥に変更。
フィリピンの戸建ては基本、施主支給・個別発注
ここまで読んですでにお気づきの方も多いと思いますが、基本的には施主支給です。日本みたいにデザインから作業の発注、材料の発注、装備品の選択などなど、これら全てを一括して請け負ってくれるリフォーム屋さんももちろんありますが、めちゃくちゃ高くなります。なので、大工さんを直接雇って、その仲間どうしでチームを組んで作業を進める、っていうスタイルになります。もし凝ったデザインにしたいとかそういう場合は、デザインとその図面だけ別に発注したりすることもできます。大抵の場合は、その知り合い繋がりで紹介してもらい、その人に直接発注する形になりますが。
フィリピンの戸建ては基本、コンクリート造
もう一つ。最近は木は高いし輸入品ばかりになりますので、コストがかさみます。安い木材は質が悪いです。なので大体はコンクリートで作り上げてしまいますね。こっちの方が早いし、壊す時も人件費が安いのですぐ壊せます。木造の住宅もないことはないですが、よほどのど田舎とか行かない限り見当たらないですね。しかも、あっても相当古い家とか、フィリピンの伝統的な平屋スタイルの家とか(個人的には一度こういう家に住んでみたいが)。不法占拠地区(いわゆるスクウォッター)にある貧困層の家でさえコンクリートで作っちゃってますw
さて、だいぶ完成に近づいてきたんで足りない資材や備品を買いに行くか・・・