先日、タイ国王陛下が崩御されました。いつかはこの時が来るとはわかっていましたが、ついに来てしまいました。容態が不安定だということを報道などで聞いていたのでずっとウォッチしてましたが、13日の夜に仕事から家に帰ってFBをチェックして、そこで知りました。
「国父」に対する敬愛心
私はタイに3年半ぐらいしかいなかったけれど、その短い間、極力タイの方たちと接し、タイという国とその人たちに対する理解を深めるよう努力して来ました。そのなかで国王に対する敬愛心というものを肌身を持って感じることができたわけですが、それは我々のような人間(=タイ人じゃない人たち)が知っている「敬愛心」とは全く比較にならないと言ってもいいくらいのものだと思いました。一国のリーダーに対して、ここまで全国民が尊敬の意を表せる国家は、全世界を見ても数えるほどじゃないんでしょうか。逆にいうと、それだけ国王に自国をまとめるパワーと求心力があったんですね。私はタイ人ではないけれど、タイの人たちと仕事の枠を超えて深く関わって来た者として、このニュースは決して他人事ではなく、崩御を知った時は私自身も自然と胸を締め付けられるような悲しみを憶えました。それと同時に「ああ、一つの時代が終わったんだな。」と、国王ありきのタイ王国であったことを改めて感じたのでした。
ここからは、未知の領域
連日報道されるバンコク市内の様子や、国王陛下の今までの功績。なんか、タイとその国民にとって、すごい大きなものが失われような感覚なんだろうなと思いました。それもそうでしょう、70年も在位してたんだから。70年も国を見て来たんですよ?88歳っていう年齢を考えると95%以上(タイの人口構成はわからないけど、これくらい?)の国民が国王陛下を見て、国王陛下のお話を聞いて育ってきたんです。ぶっちゃけ、70年間も国王が変わらなかったんで、葬儀のやり方とか知ってる人いるのかなとか、いらん心配とかしちゃったけど。そんな国王がいなくなった今、これからは誰もがほぼ経験したことがない、未知の領域となるんだろう。今後、タイがどう変わっていくのか。多くが予想するように、政情が不安定になるのか、または、皇太子殿下がうまく国をまとめられるのか。
1年の喪服期間
以前にも王族の方が亡くられたり、位の高い僧侶が亡くなられたりした時に、1週間とか30日間とか喪服期間が設定されたことがあったけど、国王クラスになるとやはり1年になるんですね。とはいえ、1年というのは政府機関、国営企業、公務員が対象のようですが、国民レベルでも自主的に行うんでしょうね。また30日間は各種エンターテイメントは自粛されるそうです。早速バンコクの友人のミュージシャンたちに、現地の様子について連絡を取ってみました。バーとか店自体はやっているところも一部あるらしいのですが、ライブバンドとかは全て無し。30日間仕事がなくなってしまったと嘆いていました。気のせいか、このブログのアクセスも先週の金曜日ぐらいからガクンと落ちているような・・・仕方がない。当分の間はタイの人たちの感情をリスペクトし、悲しみをともにしましょう。
ちょうど来月あたりに、現地でリペアをお願いしていたギターを取りに行くので、現地の様子などまたリポートしたいと思います。