最近ギター関連記事の更新が滞ってますねw
前回はメッキパーツのサビとりについて皆さんにシェアして、とくにゴールドメッキパーツは磨かない方がいいというような話をしましたが、今日はそれを実際にやってみたのでお見せします。
以前の記事では、ゴールドメッキ層は薄いのでポリッシュとかで磨くとすぐにメッキ層がはげてしまうというお話をしました。そこで今回は、以前にヤフオクでパーツ取り用に買ったジャンクギターのパーツを使って実際にやってみます。
今回の実験台は、
これ。
Ibanez RX から取り出したネックプレートです。表面はザラザラしていて、くすんでいます。汚れが付着しているのか、サビついているのかはちょっと判断できませんが。
RXシリーズといえば95年〜96年ごろに出回っていた、現在のRGシリーズの元となったモデルですね。エントリーモデルとして発売されていたやつです。日本製ですね。ネック裏のシリアルを見るとフジゲン製のようでした。一部海外製品はちょっとグレードの高いものとかも出ていたようですが。私はこのRXの重さとネックのスペックが好きで、このネックだけバンコクにいる知り合いのルシアーに渡して、ボディをマホガニー+フレイムメイプルでカスタムオーダーで作ってもらいました。
さて本題のこのネックプレートですが、ゴールドメッキといってもいろいろあって、本物の金を使ってメッキするやつもあれば、色が近い素材で「なんちゃって金メッキ」するなんて方法もあるようです。それぞれの手法において、ゴールド層の厚さにどれだけ差があるかはわかりませんが、おそらくRXシリーズに使われるゴールドパーツは「なんちゃって金メッキ」の類にはいるものではないかと?!しかもめっちゃ薄い層だったりするんでしょうね。だって、96年当時のカタログで定価38,000円で売ってたぐらいだから、そんなに高いパーツは使っていないはず。
想像で話をしても仕方ないんで、とにかくやってみよう。
まずはKure 5-56で拭いてみた
まずはこいつ。ポリッシュで磨いてみる前に、こいつで汚れ(表面のザラザラ)を取ってみる。
こいつを、クロスにシューって吹いて、プレートの表面をこすってみた。
こんな感じ。ごしごしごしごし・・・と、ちょっと力を強めに入れて10往復ぐらいしたところだった・・・
「え!もうこんなんなっちゃうの・・・??」
わかりますでしょうか。10往復した時点で、すでに一部が変色してしまいました。プレートの左下の部分がゴールドじゃなくなってますよね。下の層(下地ではなさそうで、フツーのクロームメッキみたいなもん?)が出てきました。
正直私もこんなすぐに下の層が露出するとは思っていませんでした。しかもポリッシュとかの研磨剤ではなくってKure5-56を使っていますんでなおさらです。以前に私はギブソンLPに使われているゴールドパーツを思いっきりポリッシュで磨いて、ゴールド層を剥がしてしまったことがありましたが、こんなに簡単には剥がれませんでした。もっと時間がかかってたような記憶が・・・それにあの時はクローム層ではなくって、いきなり鉄の下地が出てきてしまいました。
このような価格帯のギターに使われるメッキパーツは、普通のクロームメッキの上にゴールドっぽい色で塗装しているんですかね。表面のザラつきといい、そんな感じがしました。
とりあえず、このままクロスで拭き続けたところ・・・
はい。こんなんなりました。クロームメッキがうっすら黄色がかった感じです。ポリッシュで磨くまでもないですね。
ちなみに・・・
他のパーツでも試してみた。
これ。同じRXのブリッジです。ただ、このままでは掃除しにくいし、違いがわかりにくいので・・・
分解しました。これで、ブリッジのプレートを同じくKure5-56で拭きあげてみます。ちなみ写真上にあるのが先ほどのネックプレートです。元の色との違いがはっきりわかりますね。ここまできたら普通にクロームメッキと同じでしょう。
では同じように拭きます。
ごしごしごし・・・どれどれ。
やーめた。結果は同じですね。
結論:ゴールドメッキは剥がれやすい。とくにエントリーレベルのギターは要注意
今回の場合はKure 5-56をクロスに吹いて使っていますが、もしかすると何もつけないままのクロスでも、ごしごしやってしまうと剥がれてしまうかもしれません。極力ソフトに拭いてあげましょう。できれば普段から汚れやサビがつかないように5-56やFernandes 956とかで拭いた方がいいですね。
でも、今回の実験の結果だとどんなに注意しても剥がれそうですね。「そういうもんなんだ」と割り切るのもあり?
とはいえ、最近はエントリーレベルでゴールドパーツを使っているギターってあんまり見ないな。今でもRXシリーズをご愛用なさっている方々は是非ご参考に。